ルーファウスは、手に持った携帯を見つめた。
副社長室でセフィロスに会ってから、すでに十日近くが過ぎていた。
『一度しか言わない。覚えろ』
耳元で囁かれた声が、はっきりと脳裏に残っている。
言われたとおり、その番号は、頭に刻み込んだ。
副社長の権限で調べれば、今、どのソルジャーが非番であるかなどすぐにわかる。
その番号を囁いた当人は、今日は非番、しかも、ミッドガルに帰っていた。
『覚悟があるなら、かけてこい』
セフィロスの深い声と、自分をのぞきこんでいた青く輝く美しい瞳を思い出す。
覚悟…。
なんの覚悟なのか…。
殺されてもいいということか?とも思うが、どうも違うような気もする。
セフィロスがどんなつもりでその言葉を言ったのかはわからないが、いずれにしろ、セフィロスにプライベートで会う、というのは、それなりにリスクを伴うことではあった。
まず、立場、というものがある。
ルーファウスは、副社長だ。
副社長という肩書をもっている以上、神羅に関わることに関しては、まったく仕事を抜きに考えるわけにはいかないことは、ルーファウスとてよくわかっていた。
(お飾り副社長だとしても、な)
皮肉めいた気分で考える。
そしてもうひとつ。
父親であるプレジデントは、決して、ルーファウスとセフィロスが近づくことを喜びはしないだろう、ということだ。
プレジデントは、父親である前に、神羅カンパニーの社長だ。
すべてに優先するものは、神羅の利益、ひいては自分自身の利益だ。
そうであってみれば、自分に次ぐ権力者となり得る副社長が、自分の命綱ともいえるセフィロスと接近することには、危機感を持つはずだった。
――たとえ、それが自分の息子であっても。
(親父はそういう人間だ)
ルーファウスは、ため息をついた。
理性的に考えれば、セフィロスとプライベートで会うなど、やめた方がいいことはわかっていた。だが、もし、ここでセフィロスと親しくなり、こちらに取り込むことができれば、自分の大きな力になる。
なぜ、セフィロスが、プライベート用の番号などを教えたのかはわからないが、自分の何かがセフィロスの関心を引いたことは確かだった。
(どうする……)
ルーファウスは携帯をテーブルの上に投げ出し、ソファに沈み込んだ。
今まで、誰か他人をここまで気にしたことはなかった。
母親はルーファウスが幼い頃に死んでおり、ほとんど記憶には残っていないし、父親は仕事仕事で、幼い頃からずっと、顔を合わせるのは朝食の時くらいだった。
もちろん、父子が唯一、会話を交わす時間であることは、プレジデントもわかっていたのだろう。余程のことがない限りは、毎朝、ルーファウスに、なにかと話しかけてはきた。
だが、それはいつでも、勉強はどうなのか、なにを習っているのか、といったことを父が質問し、ルーファウスがそれに答える、というだけのもので、会話というよりは、一方的な口頭試問のようなものだった。
そんなわけで、父親に対しても、今朝は機嫌がいいか悪いか程度の関心しか持ってこなかったというのが、正直なところだった。
家族はそれだけで、それ以外に周りにいたのは使用人ばかりだった。
大学も通ってはいたが、ルーファウスは人よりずっと早く進級を繰り返してきており、他人と関わっている暇などありはしなかった。
ほかに関わりのある者といえば、何人かの女性がいるが、全員、ルーファウスより年上で、同じ階級に属する、暇をもてあます夫人達だ。そこに、恋だの愛だのという感情が入りこむことはあり得なかったし、というよりは、あってはならなかった。
なぜなら、ルーファウスの相手は、すなわち、神羅カンパニーの社長夫人、というものに直結してしまうからで、それは、ルーファウスの感情などとはまったく別次元の、もっと社会的な問題になってしまうからだった。
そんなわけで、生まれてから今まで、ルーファウスは、他人のことを気にしたこともなければ、他人が関わることでこんなに悩んだこともなかった。
テーブルに投げ出されたままの携帯を見つめる。
『なぜ、おれを呼んだ?』
セフィロスの深い声を思い出す。
(会いたかったからだ)
廊下ですれ違った時に感じた禍々しい力を、もう一度、感じたかった。
だから、父親に頼んだ。
そこで、ふと、あることに気づく。
(いままで、誰かに会いたいと思ったことがあっただろうか……)
ルーファウスは、眉を寄せた。
ない。
そう、15年間生きてきて、誰かに会いたいと思ったことなど一度もなかった。
会いたいと思うほど、他人と関わって生きてこなかったのだ。当たり前だった。
(それなのに、セフィロスには、もう一度会いたいのか?)
自問自答する。
(会いたい)
あまりにも素早く答えが出たことに、自分で苦笑する。
そう、結局のところ、セフィロスにもう一度、会いたいのだ。
(会いたい、というより、見てみたい――)
武器を扱っているとは思えぬような、優雅な、それでいて無駄など一切ない、研ぎ澄まされた身体の動きを――。
美しく、だが、冷たく冴え冴えとした瞳を――。
そして、冷たい顔に浮かぶ皮肉めいた笑みも――。
ルーファウスは、身体を起こした。
携帯に手を伸ばす。
心は決まった。
指が、頭に刻み込まれている12桁の数字をたどった。
□■□■□■□
呼び出し音が鳴る。
ほどなくして、呼び出し音が途切れた。
ルーファウスの心臓が跳ねた。
自分が緊張しているのだ、ということに気づき、ルーファウスは眉を寄せた。
だが、つながった先は、しん、と静まり返ったままだ。
「セフィロス…?」
ルーファウスは囁くように言った。
一瞬の間。
そして
『ルーファウスか』
聞き覚えのある、深く冷たい声が言った。
「ああ」
『いま、どこにいる?』
ルーファウスが電話をしてきたことに、驚いてもいないような口ぶりだった。
なんとなく、おもしろくない気分になりながらも、「家だ」と答える。
『神羅本宅か?』
「ああ」
『ふむ』
しばし、セフィロスは黙った。
『こちらにこれるか?』
「寮じゃないのか?」
セフィロスが鼻で笑う。
『おれが他のソルジャーと一緒に生活しているとでも?』
笑いを含んだ声。
『一応、規則で寮ということになっているが、完全にプライベートな家だ。マンションだが、最上階の全フロアだ。姿を見られる心配もない。おれは目立つからな、まだお前が来た方が問題ないだろう』
「別にこそこそする必要はない」
『ほんとうにそうか?』
セフィロスの声に、揶揄が混じる。
『父親には、知られない方がいいんじゃないのか?』
ルーファウスは、むっと押し黙った。
セフィロスは、わかっているのだ。
わかっていて誘いをかけ、しかも、リスクが高いのは、ルーファウスの方だということも見抜いている。
おもしろくないが、セフィロスの言うことはどれも正しかった。
「わかった。そちらへ行く」
ルーファウスは言った。
『待っている』
短い言葉とともに、ぷつり、と電話が切られた。
ルーファウスは、深いため息をついた。
どうも、セフィロスが相手だと、いつもと勝手がちがう。
これまでは、父親を除けば、いつでも、誰に対しても、ルーファウスが常に主導権を握ってきた。
どんな相手も、ルーファウスの意のままに動いたし、あやつれた。
たとえ、ルーファウスが下手に出るようなことがあっても、それは、ルーファウスが意図してやっていることであって、それによる相手の反応を計算した上でのことにすぎなかった。
だが、セフィロスはだめだった。
前回も今回も、完全に、向こうに主導権を握られている。
ルーファウスは、軽く唇を噛んだ。
セフィロスを取り込むためには、主導権を取り戻さなければならない。
自分が、英雄セフィロスを利用するのだ。
(気を緩めるな)
ルーファウスは軽く首を振ると、デスクの上にある室内電話のボタンを押した。
「出かける。車を回してくれ」
『かしこまりました」
電話の向こうで、執事が答える。
ルーファウスは、コートを腕に掛けると部屋を出た。
「行ってらっしゃいませ」
執事が、ルーファウスが乗り込んだ後部座席のドアを閉める。
「3番街15番地へ行ってくれ。」
運転手に告げ、ルーファウスは目を軽く閉じた。
適当にその辺りで車を降り、あとはタクシーでも拾うつもりだった。
別に運転手を疑うわけではないが、父親に、自分をどこで下ろしたか聞かれたら、この運転手とて答えないわけにはいかない。用心するに越したことはない。
だが、助手席側のドアが開く音に、目を開けた。
「護衛させていただきます」
見ればSPの一人が、助手席に乗り込むところだった。
このSPは、神羅家がプライベートで雇っている男だ。
ルーファウスが幼い頃から、常に2,3人のSPが入れ替わり立ち替わり、護衛についていた。だが最近は、ルーファウスが夜、「友人の家に行く」と言えば、護衛にはつかなくなっていた。
「友人の家に行くだけだ。ついてこなくていい」
ルーファウスは、そっけなく言った。
だが、SPは軽く頭をさげた。
「ルーファウス様も副社長となられたのですから、今までのようにはまいりません。護衛させていただきます」
ルーファウスは眉を寄せた。
もう一度、いいから戻れ、と言いかけ、ふと口を閉じた。
「親父の命令か?」
SPは、一瞬迷い、やがて、小さく頭を下げた。
「ふん…過保護だな」
ルーファウスは、唇をゆがめた。
これからはセックスも監視するつもりか、と心の中で吐き捨てる。
別に、女とのことなど監視されたところで、痛くもかゆくもないが、セフィロスと会うことだけは、父親には知られてはならない。
このSPは、父親の命を受けた、言ってみれば、護衛という名の監視役と思っていい。今夜、セフィロスに会いに行けば、必ず、報告するに違いなかった。
(さて、どうしたものか………)
ルーファウスは思案を巡らせた。
□■□■□■□
ミッドガルは不夜城とも言われる。
絶え間なく汲みあげられる豊富な魔晄エネルギーが、ミッドガルの夜を光で溢れさせているのだ。
輝くイルミネーション、そこかしこを美しく照らし出すライトアップ、煌々と輝く店の明りと、少しでも目立とうと様々な趣向を凝らしたネオン看板。
「ああ、そこでいい。そこで下ろしてくれ」
窓の外を流れる輝く街を眺めていたルーファウスは、3番街に入ったところで車を止めさせた。
「ここですか?」
「ああ。気が変わった。飲みに行く」
運転手が、車を止める。
「お待ちしていましょうか?」
「帰っていい。帰りはまた連絡する」
頭を下げる運転手に軽くうなずいてみせ、ルーファウスは、SPが開けて待つドアから、車を降りた。
斜め後ろをついてくるSPを横目で確認し、ネオンの輝くビルの一つに入る。
奥にあるエレベーターに乗り、地下に降りると、落ち着いた雰囲気の、だがひと目で高級な店とわかる内装がルーファウスを迎えた。
エントランスに立っていた黒服が、さりげなく近寄ってくる。
「いらっしゃいませ。ルーファウス様」
「久しぶりだな」
その黒服の目が、ちらりとルーファウスの後ろのSPに向く。
ルーファウスは心の中で、ひそかにほくそえんだ。
だが、もちろん、面にはそんな素振りはいっさい見せずにSPを振り向く。
「もう戻っていい。帰るときは連絡する」
こういった最高級の会員制クラブでは、SPは中に入れない。
この店にくるような人物は、例外なく常にSPを連れ歩くような地位の者たちばかりであり、当然、セキュリティは万全を期している。
もちろん、一見の客は絶対に足を踏み入れることはできないわけで、そんな店で、これ見よがしにSPを連れ歩くのは、店に対しても、他の客に対しても、失礼なこと、というのが暗黙の了解なのである。
「かしこまりました」
こうなってしまえば、SPにも何も言うことはできない。
一歩下がり、きっちりと頭を下げた。
「ごくろう」
ルーファウスは、内心の小躍りしたいような気分を押し隠し、黒服が開けた、重厚な造りの樫材の扉を抜け、店内に足を踏み入れた。
「これは、ルーファウス様。ようこそ、いらっしゃいませ」
すぐに、にこやかな笑顔を浮かべた支配人が姿を現わす。
横から現れた、もう一人の黒服が、さりげなく手を差し出し、コートを受け取ろうとするのに、ルーファウスは首を振った。
支配人が、問いかけるようなまなざしを投げる。
「すまないが、ボトルだけ入れる」
一瞬、支配人の目が瞬き、だが、すぐに納得したような笑顔が浮かんだ。
つと、近寄り、「抜けられますか?」と囁く。
ルーファウスは、小さく頷いた。
こういう、最高級の、そして集う客が例外なくVIPであるような店には、必ず、抜け道の一つや二つはあるのが普通だ。
それは、万が一の時の避難通路でもあったし、あるいは、客側の要望――今回のルーファウスのように――によって、様々な用途に使われる秘密の通路ともなるのである。
そして、こういった店は、客の秘密は絶対に厳守する。
たとえ、神羅カンパニーの社長と言えども、そしてたとえその息子の秘密だとしても、この店から聞き出すことはできないのだ。
支配人はすぐに、黒服の一人を呼び「タクシーを裏に回せ」と囁いた。
「ではこちらへ」
支配人の案内で、華やかな装飾のされた廊下を進み、扉をいくつか抜ける。
廊下は次第に、飾りの少ないものになり、やがて、いかにも業務用といった、殺風景なものに変わった。
突き当りの、これまたいかにも裏出口といった体の金属の扉を開く。
そこはもう、夜のミッドガルだった。
「3番街の8番地です」
支配人がささやく。
「そこにタクシーを呼んでありますので、どうぞお使い下さい」
「ありがとう。助かった。近いうちに、また来る」
「お待ちしております。お気をつけて」
ルーファウスはうなずき、少し離れた裏道に待機しているタクシーに向かった。
□■□■□■□
「遅かったな」
オートロックの自動ドアを抜け、広々とした部屋に入ったルーファウスを迎えたのは、不機嫌そうな声だった。
その部屋は、セフィロスの好みを反映しているのか、モノトーンで統一され、シンプルですっきりとしていた。
部屋の中央に、黒い革張りのソファがいくつか置かれている。
その一つに、英雄は、ゆったりと腰をおろしていた。
長い銀色の髪も、青く輝く瞳も、副社長室で会った時と同じだが、着ているものはさすがに、白いシャツに黒い細身のパンツというラフなものだった。
もちろん、トレードマークの、正宗も見当たらない。
長い足を組み、酒でも飲んでいるのか、手にグラスを持った姿はくつろいだ様子で、先日見せた、近寄るだけで斬られそうな物騒な雰囲気はなりを潜めていた。
ルーファウスは、セフィロスの斜め前のソファに座り、コートをいくぶん行儀悪く投げ出すと、背もたれによりかかった。
「SPを撒くのが大変だったんだ」
セフィロスが、眉をあげる。
「まあSPというより、親父がつけた監視役だが」
ルーファウスは、小さく笑うと、吐息をついた。
「飲むか?」
セフィロスがグラスを上げてみせる。
「酒か?」
「ウィスキーだ。強いぞ」
ルーファウスは、肩をすくめた。
「喉が渇いた。なんでもいい。なにか冷たいものをくれ」
セフィロスは、軽くうなずくと、立ちあがり、壁際のカウンターに歩いて行った。
棚からグラスをひとつ取り出し、氷と酒を注ぐ。
それを手に戻ってくると、ルーファウスの前に置いた。
「ありがとう」
ルーファウスが手を伸ばす。
だが、ルーファウスの手が触れる前に、グラスは、セフィロスの手にとり返されていた。
「セフィロス?」
眉を寄せて見上げたルーファウスに、セフィロスは片頬だけで笑ってみせた。
そして、グラスから酒を口に含むと、右手でルーファウスの顎を捉えた。
「セフィ…」
ルーファウスは目を見開いた。
力強い手に顎を押さえられたのと同時に、セフィロスの唇がルーファウスのそれに重なったのである。
セフィロス、と言おうとした唇をこじあけられ、中に液体が注ぎこまれる。
そのまま唇をふさがれ、ルーファウスは流し込まれた液体を喉に送り込んだ。
喉を、酒が通り過ぎ、かっと身体が熱くなる。
飲まされた酒のせいなのか、セフィロスの唇のせいなのか、熱が身体を駆け巡るのを感じる。
ルーファウスは、唇をふさがれたまま、すぐ近くにある青く輝く瞳を見つめた。
まるで、それ自体が光を帯びているかのように、明るく輝く、魔晄を浴びた者の徴である、瞳。
ようやく、唇が開放される。
目の前にある、濡れた唇が、笑みを浮かべた。
「なにを驚いている?覚悟があるなら来い、とおれは言ったぞ?」
セフィロスが揶揄するように言う。
「帰るなら今のうちだ」
力強い指に顎を捉えられたまま、ルーファウスは、セフィロスの冷たい相貌を見上げた。
無意識のうちに、喉がごくりと鳴る。
心のどこかで、こうなることがわかっていたような気もする。
ルーファウスとて、もう子供ではない。
もっとも、15歳という年齢は、まだ十分、子供でいてもいい年齢だろう。
だが、ルーファウスの環境がそれを許さなかった。
もうすでに、何人もの女性を知っているし、同性同士でのこういった行為を好む者がいることも当然知っていた。
ルーファウスは、絶世の美女と言われた母親の血を引いて、整った顔立ちをしている。
幼い頃から、美少年だと言われ続けてきたし、婉曲な言い回しではあったが、その手の誘いを受けたこともあった。
もっとも、ルーファウス自身は同性との行為に興味はなかったから、経験はなかったが。
自分を覗き込む蒼い瞳は、熱を帯び、ルーファウスを見つめている。
それは、明らかに、目の前の獲物に欲情している、男の目だった。
今までは、自分と同じ男にそんな目で見られようものなら、気色悪いとしか思わなかったものだった。
だが、今、自分が、嫌ではないことに気づく。
自分の顎に触れている、ゴツゴツと骨ばった、力づよい男の指。
そして、ふと、気付いた。
ルーファウス自身も、また、欲情していた。
目の前の、英雄と呼ばれる、この男に。
「私は男と寝たことはない」
ルーファウスは、囁くように言った。
「……どうすればいい?」
セフィロスの口元の笑みが深くなった。
「教えてやる」
囁かれた言葉に、ぞくりと背筋が震える。
「来い」
差し出された手を握り、セフィロスの後を追う。
通された先は、奥まったところにある寝室で、足を踏み入れたとたん、スーツを脱がされた。
うながされるままにベッドに腰をおろせば、長い指が喉元のボタンにかかった。
思わず、その手を押さえる。
女のように服を脱がされることに抵抗があった。
「自分で……できる」
だが、その手を掴まれ、そのままシーツの上に押し倒された。
「黙ってろ」
有無を言わせぬ声音に、ルーファウスは口を閉じた。
器用な指に、ワイシャツのボタンをはずされる。
するりと滑り込んだ冷たい手が肌に触れ、ルーファウスは身体を震わせた。
2011年4月30日 up